○○、乗っちゃダメ!
今週のお題「乗ったことがある動物」
これは、わたしが「乗ったことがある動物」というより、友達のお姉ちゃんが「乗ったことがある動物」のはなしです。
小学校3年生のときでした。
当時、家には真っ白くて、でかい紀州犬のミックス(女の子)がいて、ちびだったわたしは、そのわんこの背中にいつか乗ってやろうと狙っていました。
なんでそんなひどい(と、いまならわかる)ことを思いついたのかというと。
むかーしの漫画の表紙に、でっかい犬に馬のように乗って、楽しそうにしている女の子の絵があったのです。
それにあこがれて、わたしも犬に乗ってやろうと思ってしまった。
漫画は漫画で、現実の犬とはちがう、ということがわかっていなかったのです。
「乗らせてー」
と背中からまたがろうとするのですが、わんこはとっても嫌がります。
迷惑そうな顔をされて逃げられてばかりなので、
「おやつで釣れば…」
「隙を狙えば…」
と、あれこれ画策していました。
でも、うまくいくことはありませんでした。
ところがある放課後、我が町の三丁目のYちゃんから、衝撃の報告が。
「うちのお姉ちゃん、犬の背中に乗ったんだよね」
「ほんとう? すごいね!」
あの漫画の絵がどうしても思い出されました。
絵の中で、犬の背に乗って得意そうにしていた女の子…
同じようにYちゃんのお姉ちゃんが犬に乗った姿を想像し、先を越されたなと内心悔しくおもっていたら。
すぐれない顔色のYちゃん。
「すごくないよ…犬が怒っちゃって、お姉ちゃんのお尻を、ガブって」
Yちゃんのお姉ちゃんは救急車で運ばれて、すごい騒ぎになったそう。
噛んだ犬はどうなったか、それはわからず…
「もう犬に乗るなんて考えるのはやめよう」
と震えたものでした。
我が家のわんこは長生きして、20年間、番犬としてはたらいてくれました。
「あのとき、本気で犬の背中に乗ろうなんてしていなくて、よかったな」
と、こころから思います。
お題を見るまで忘れていたはなしですが、犬には乗っちゃいけません。